Nahoko Wada

works

作品と批評による交流展「UNKNOWNS 2014」

東京造形芸術大学絵画専攻近藤昌美セレクト×慶應義塾大学美学美術史専攻有志

ふたりの近藤先生が始めたUNKNOWNS展。幸夫先生亡き後「やりたい」を手を挙げた慶應義塾の学生に対し、「見守り役」として引き受けることにしたのは、私自身、某美術大学で「キュレーターの卵」×「アーティストの卵」の企画経験があり、このような活動は是非支援したいと思ったからである。
アーティストはもちろんだが、美術批評する側も「自分の言説」が世に出ることに対し、責任を持たねばならない。表現の手段は異なるが、美術作品も美術批評も「表現」に変わりはなく、どちらが上でも下でもない。フラットな立場で真剣勝負する場なのだ。ともすれば美術大学ではない慶應義塾の学生は、制作現場を知らず、作家の葛藤も知らず、展覧会会場での完成後の作品を見て知った気になってしまう節がある。
しかし同時代を生きる、同年代の作家の活動を知る上で制作プロセスの取材は不可欠であろう。その「生々しい」プロセスを共有することで、言葉遊びではない「リアルな評論」が生まれてくるのだ。そのような機会を与えてくださった近藤昌美先生には大変感謝している。そして今後も若手同士のART×CRITICIZMの活動は続けていくべきだと思う。
まずは今回の展覧会に際し、真剣に挑むみなさんにエールを送りたい。皆さんにとってこれが「はじめの一歩」となるのだ。

展覧会記録集序文より(和田菜穂子)


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2014年8月18日―8月23日
藍画廊、ギャラリー現

主催:UNKNOWNS 2014
企画:近藤昌美(東京造形大学教授)
企画協力:和田菜穂子(慶應義塾大学 非常勤講師)

参加作家:土屋裕央、阿知波閑、仁禮洋志、斎藤康平(東京造形大学)
執筆:沖長真央、倉友粋、竹内美保、松本理沙、佐々木満里奈、早瀬董、宮崎最彩衣、小川こころ、伊藤萌恵、宮本久美子、黒川踏葉、石川律、福島祐美(慶應義塾大学)